岩手県胆沢郡金ケ崎町鎮座 瑞祥鶴ケ峰 熊野神社
神棚はただ飾っておけば良いというものではありません。常日頃からきちんとお供えをして拝礼しなければ、
御神霊の御加護受ける事は難しいでしょう。ここではもう少しくわしく、お供えや拝礼について解説致します。
お供え(神饌しんせん)について
写真は当神社例大祭の神饌
はじめに
神様へのお供え物を神饌(しんせん)と言います。神道では、「物」「心」共に整える事を最上としますので、神饌(お供え物)が重要な意味を持ちます。 神棚をおまつりする際の神饌は通常「米・酒・塩・水」ですが、その他「旬」の物、珍しい物、自分の家で採れた物などをお供えします。自分で育てた野菜や果物などの「初物」をお供えする事は、本来の「御馳走」の意味にも通じ、たとえ少々見栄えが悪くとも大いに御神霊もお喜びになるでしょう。 いずれの場合においても清浄を心がける事は言うまでもありません。 |
器などについて
祭器具の選びかた
↑もご覧ください
神饌は器に盛り、三方(さんぼう)または折敷(おしき)に載せてお供えします。写真のように綴じ目を手前にして置きます。 折敷と胴の部分が別々になっている三方の場合に注意していただきたいのですが、穴のあいていない方を御神前に向け、その上に綴じ目が手前にくるように折敷を載せます。 |
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三方(さんぼう) | 折敷(おしき) |
神棚に用いる器などについては、神棚専用とします。詳しい事は祭器具の選びかたをご覧ください。 |
お供えの順序・決まりについて
神饌には順番があります。上位から米・酒・餅・魚・海菜・野菜・果物・菓子・塩・水の順となります。米が最上位なのは神々が自ら栽培されていた作物であるためですが、稲作を中心にしてきた我が国の歴史から考えると全く当然の事と思われます。 また、@神前に近い方を上位、A正中(神様の真正面)に近い方を上位、B正中を最上位、次いで左(神様からみて)、次いで右 という場所についての決まりによって、お供え物を上位のものから並べていきます。 |
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奇数の場合、正中、次いで左(神様からみて)、次いで右という順番でお供えします。 | 偶数の場合、正中をはさんで左(神様からみて)、次いで右という順番でお供えします。 |
上の場合については、「米・酒・塩・水」以外の物をお供えする場合や、やむを得ず器を一列に並べてお供えする際の参考としてください。 日常の神饌(米・酒・塩・水)を三方や折敷に載せると下のようになります。 |
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米・酒・塩・水をお供えした場合 | 米・塩・水をお供えした場合 |
お米は炊いたご飯でも大丈夫ですが、人間が食べる前にお供えします。 魚をお供えする場合は、頭を正中に向け、腹を神前に向けてお供えします。正中にお供えする場合は、頭を左(神様からみて)にします。 野菜をお供えする場合、ネギやニンニクの類はお供えしません。野菜に限らず余り強いにおいのある物は避けましょう。 |
拝礼について
神棚拝礼の次第と作法
神棚のおまつりは毎日継続する事が大切です。作法については、こちら
で詳しく解説しておりますので、ここでは簡単に紹介することにします。
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次 第 | 作 法 等 |
神棚に向かう前に手と口を清める | ||
一拝(いっぱい) | 神棚の前に進み一度深くおじぎをする。 | |
献饌(けんせん) | 神饌をお供えする。あらかじめお供えしておいて、器のふたを取ってもよい。灯明があるときは、点灯する。 | |
祝詞を奏上する場合(祝詞を省略する場合は拝礼をご覧ください) | ||
祝詞奏上(のりとそうじょう) | 二度深くおじぎをし、祝詞を奏上する。終わって二度深くおじぎをし、次に二度柏手を打つ。次いで一度深くおじぎをする。 | |
祝詞を奏上しない場合 | ||
拝礼(はいれい) | 二度深くおじぎをし、次に二度柏手を打つ。祈念を込めたのち、一度深くおじぎをする。 | |
撤饌(てっせん) | 神饌をお下げする。器のふたを閉じてもよい。灯明があるときは消灯する。 | |
一拝(いっぱい) | 神棚の前に進み一度深くおじぎをする。 |
関連・参考となるページ
神事の作法
祝詞を読んでみましょう
お供えしたものはどう処理すればいいですか?
お供えしたものはいつお下げするのですか?
普段使っている道具を神棚に使ってもかまいませんか?
おわりに(長続きする神棚のおまつり)
普段から立派なお供えをして、しっかりと拝礼すればいいのですが、なかなか長続きしそうにない方へ。 普段は「米・塩・水」をお供えして、月に1度か2度、お酒もお供えするというのはいかがでしょう。神社では毎月1日に月始祭、15日前後(当神社は17日)に月次祭を行う所が多く、普段よりも立派な神饌をお供えして祭典が行われます。みなさんが神棚をおまつりする際も、毎月の神社の祭典日に準じて行ったらどうでしょうか。1か月に2度はちょっとという方は1度だけでも良いと思います。 また、野菜・果物など普段と異なる物をお供えする場合は特に日を決めたりせず、珍しい物が手に入った時など、その時々にお供えすれば良いでしょう。 最初はやり易いところから始められる事をおすすめします。 |
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